里山とは
人と自然の恊働生活と生物の多様性を維持できる環境であり、日本固有の文化と良好な景観をもち、将来にわたってその条件が保たれる場です。 里山は日本の概念ですが、里山の概念に類似した風景は世界各地にあります。昔ながらの智恵を使いながら、住民が自然の恵みに寄り添いなが ら暮らす生活は、農業・林業・畜産・漁業で生計を立てる人々によって維持されてきました。
この里山には、昔から、水田や雑木林、ため池、鎮守の杜、など様々な要素が入り組んだ多様な環境がありました。いかに自然と調和した生活 を送るかが大きなテーマでした。薪を取るために山に入っても、全ての木を切り倒さず、必要なだけ伐採する。伐採後は植林を行うことで、森 林の維持に努めました。落ち葉や下生えは田畑の肥料に利用されていました。ただ自然のままではなく、人の手が入ることで森も小動物たち生 き物も住みやすくなっているのです。ため池にカエルが住んだり、そのカエルをエサとする小動物が池に来たり、人と生き物の暮らしが交わる 場所が里山です。
里海とは
里海においても、やはり、人と自然との恊働生活であることが基準となります。人の手で陸域と沿岸域が一体的・総合的に管理されており、水 産物の循環機能が適切に維持され、高い生産性と生物多様性の保全が図られるとともに、人々の暮らしや伝統文化と深く関わっている場といえ ます。しかし、震災において壊滅的な被害にあった東北の里海はその機能を失い、里海をどう復興し創生するかが今後の課題になっています。
東北の里山・里海の目標像
日本国土の4 割を占める里山、そして里山を多く有する東北の潜在的ポテンシャルは高くそしてこの里山を良好な方向へと向かわせることが日 本の使命であると考えています。また震災被害にあった世界三大漁場の一つである三陸の里海の復興と創生も、必然であり日本の水産業への持 続性にもかかわることと考えます。これらを健全な持続可能な仕組みをつくることは東北の観光資源、雇用に促進、経済の活性、そして生物多 様性と自然の保全へとつながるものであり、世界へ誇れる里山、里海として世界へ発信していきたいと思っています。
この里山には、昔から、水田や雑木林、ため池、鎮守の杜、など様々な要素が入り組んだ多様な環境がありました。いかに自然と調和した生活 を送るかが大きなテーマでした。薪を取るために山に入っても、全ての木を切り倒さず、必要なだけ伐採する。伐採後は植林を行うことで、森 林の維持に努めました。落ち葉や下生えは田畑の肥料に利用されていました。ただ自然のままではなく、人の手が入ることで森も小動物たち生 き物も住みやすくなっているのです。ため池にカエルが住んだり、そのカエルをエサとする小動物が池に来たり、人と生き物の暮らしが交わる 場所が里山です。