<取材>アワビの種苗

投稿日:2015年12月24日 投稿者:sot

摂待という場所に田老漁協のアワビの種苗施設があります。津波で沢山の被害にあったところです。被災し たアワビ種苗生産施設は漁獲量 50 トンを目指して計画したものだということです。田老ではアワビは放流しないと採れないので、施設は是非再建した いと考えようやく完成したものだそうです。震災から5年で震災前の収穫量を目指すという計画です。だから来年は大きな期待の年なのです。

 

その生産施設の管理をしてくれている人にお伺いしましたが、養殖だけでなく天然のものとのバランスが必要だということです。そのバランスをとるという言葉にとても心地よい気持ちになりました。養殖は自然をフォローするためにあるということです。

 

いよいよ新たにつくられた施設の中に入ります。何でも見るのが初めてなので、種苗といわれてもどんなものかわかりません。生物って不思議なものです。水槽の中に小さな小さなアワビが何枚も並べられたファイルのようなアクリル板にくっついています。アワビは海の中にいるくらいだから、光は苦手なようです。餌はやはり海藻です。

小さいなアワビはきれいなエメラルドグリーンの殻をつけています。カタツムリと同じです。このエネラルドグリーンが養殖か天然かの判断になるそうです。大きくなったアワビの殻には沢山の細かい苔みたいな海藻がついているので黒く見えますが、この色は残っているそうです。

ある大きさになったら、アワビたちは海に撒かれて天然のアワビと同じように荒波にまみれて昆布や若布の森の中で育つのです。

 

復興に向けた3つの原則を「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」としています。「なりわいの再生」の中では、地域に根ざした水産業を再生するため、両輪である漁業と 流通・加工業を目指して漁協は努力しなくてはならないのです。

 

道の駅の計画も進んでいますが、いずれもまだまだその成果のイメージが湧いてきません。来年5年目こそ、被災地沿岸は大事な年をむかえるのです。私も微力ながらサポートしたいと思います。

小さなアワビ君たち、がんばっておおきくなってください。そして復興に力を貸してください。そんなことを水槽でモゾモゾうごくアワビ君たちにお願いしました。

 

 

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