第一回 産地連携プロジェクト2

投稿日:2012年6月6日 投稿者:sot

■シェフツアー「ひつじ」

 

かとうレポート8

 

「梁川ひつじ飼育者の会」は、岩手県奥州市の江刺地区で綿羊(食肉用)を繁殖および肥育している9つの農家が集まって結成されたグループです。シェフ達はバスで、羊が飼育されている厩舎にやってきました。

 

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このグループの農家は、休耕田を利用して羊を放牧し、牧草を主な餌とした飼育を行っていました。震災後、福島第1原子力発電所の事故の影響で奥州市では部分的に放射線が検出されるエリアが出てきた事から、同市内での屋外の肥育および牧草の給餌が禁止されています。

 

これを受けて農家は厩舎内での肥育を余儀なくされ、それまで不要だった飼料の購入が不可欠になったほか、もともと小規模の厩舎に、終日羊をおいておかなければいけないことになり、飼育頭数がさらに制限されています。

 

現在のところ各農家はこの飼育方法を守っており、出荷前に必ず行う放射能測定検査では検出限界以下の結果を得ており、出荷される肉の安全性は確保されています。課題は、餌を定期的に与える労働力と購入する飼料代という想定外の経費がコストとして加算されること。こうしたコストを鑑みた金額で取引してくれる新たな販路を開拓するべく模索をしています。

 

生産者のひとりの平野さんは「私達は、みずみずしい牧草をはんだ羊を育てることをモットーとしていたので、こうした状況はダメージが本当に大きい。採算はさらに厳しくなっていくだろう。」と語ります。

 

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参加した中の「銀座レカン」高良康之シェフから「人が近づくと、寄ってくる羊と逃げる羊がいる。それが肉質にも現れていて、逃げる羊が多くいる厩舎の羊は肉質にばらつきが出る。」という話しが出たところ、平野さんから「放牧していると人懐っこくて穏やかな羊が育つようだ。厩舎にずっといると、どうも人にびっくりするところがあるんだよ。」と残念そうにつぶやいていました。放牧は出来ない状況ですが、今後もなるべくストレスのかからないように育てていきたいとおっしゃっていました。(かとう)

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