第一回 産地連携プロジェクト1

投稿日:2012年6月6日 投稿者:sot

■シェフツアー「ホロホロ鳥」

 

かとうレポート7

 

6月6日ー
初夏の風が吹く穏やかな天候に恵まれたこの日、東京から8人のシェフが岩手を訪れました。いずれも都内で名を馳せるフレンチやイタリアンの料理人の皆さんです。

 

この企画は、岩手県内で東日本大震災とそれに関連する損害を受けた農畜水産業に携わる生産者を支援するためのプロジェクトです。生産者と料理人のマッチングをはかる事で需要を生み出し、震災以降低迷する第一次産業に元気を取り戻す事を目的としています。

 

発起人はソウルオブ東北の東北シェフの代表を務める「ロレオール」伊藤勝康シェフです。
この企画は年内に4回の開催を予定しており、第1回は内陸の生産者を訪れましたが、2回目以降は沿岸部の津波の被害を受けたエリアを重点的にめぐる予定です。いずれも震災の打撃からの再起をめざしてそれぞれに努力をしている生産者を対象としています。

 

まずは「岩手花巻・石黒農場のホロホロ鳥」。「石黒農場のホロホロ鳥」は、花巻温泉郷のエリア内にある農場です。バスで細い道を分け入って進むと、山奥にひっそりといくつもの鶏舎がたたずむ場所に出ます。

 

アフリカ原産の「ホロホロ鳥」は、フレンチの高級食材として世界中で親しまれていますが、石黒農場の石黒さんは日本人の好みにあう鳥に育てるために飼料に工夫を施しており、赤米や黒米を主体にした米を主な餌としています。さらに温泉を利用した床暖房を使って鶏舎の温度管理を徹底するなど、こだわりの生産者です。日本で大規模に生産しているのはこの農家のみという事もあって、全国に取引先を持ちます。

 

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その石黒農場では、内陸部にも関わらず地震の被害が実は今でも続いています。  この農場ではそれまで、年間4000羽のホロホロ鳥を出荷していましたが、昨年の3・11の地震以降度重なる余震の影響から、メスが卵を産まなくなってしまいました。これにより繁殖のサイクルが止まってしまい、地震のパニックで圧死した鳥も含めて震災後の生産量は2000羽と半減。

 

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生産者の石黒さんは「余震は徐々に収まってきているのだが、なぜ卵を産まないのか全く分からず困惑している。かわりにフランスからひな鳥を空輸で購入しているが、高コストが悩みの種。かといって価格にそう簡単に転化も出来ず先の見通しが立たない。」と話します。訪れたシェフ達からは、単価や提供される部位など実際の取引を想定して質問が様々あがっていました。(かとう)

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