東北シェフの活動4

投稿日:2011年5月24日 投稿者:sot

■「工夫」

 

かとうレポート6

 

5月24日。
ロレオールの伊藤シェフとアル・ケッチァーノの奥田シェフは福島県のいわき市に行きました。
二人の料理をいつも撮影しているカメラマンの長谷川潤さんのふるさとです。

 

今回は、避難所にある物資をいかに使うかがポイントでした。

 

メインは中華「美虎」の五十嵐美幸さんがもってきたチャーシュー丼、
それだけでは栄養に偏りがあるという事で、野菜を使ったおかずを二人が作りました。

 

一つめは、名付けて「豆腐のパルフェ」

 

伊藤シェフは、普段から避難所で何を食べたいかのリサーチをしていたところ
豆腐のリクエストがあったので、豆腐をメインにしたメニューを考える事に。

 

味付けをどうしようか考えながら支援物資の山を掘り返したところ、エゴマを発見、
南部鉄器の中華鍋(表面がざらざらしている)で煎ってお玉ですりつぶして
しょうゆと砂糖と水でたれをつくりました。
そして、カニの缶詰があったので、昆布の佃煮、花カツオであえました。
さらに、サバの水煮に納豆をトッピング。
これらを豆腐に添えて、「豆腐のパルフェ」の完成。
限られた材料を駆使した伊藤シェフの自信作です。

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何とも不思議な一品ですが、評判は上々。

 

奥田シェフは、支援物資であったタマネギとピーマン、そしてコーン、ホタテ、
あさりの缶詰でサラダを作りました。
味付けに使ったのはホタテとアサリの缶詰の汁。工夫する事で、ひと味違ったサラダになります。

 

「多くの避難所ではいま、缶詰が豊富にあります。缶詰の種類は実にバラエティーに富んでいる。
これらの缶詰をいかに美味しく、飽きずに食べるかが課題です。持ち込む野菜を工夫する事で、
いろいろ考えていきたい。」(伊藤シェフ)

 

多くの方の善意と思いで届いた支援物資を無駄にしたくない、と伊藤シェフは言います。

 

通常ではこちらの避難所の食事を作っているのは、県の職員の方々なのだそうです。
メニューはご飯に缶詰、みそ汁、というようなものだそう。

 

いま、多くの避難所では食事の提供は限界に来ています。
あまりにも広範囲すぎて、行政の手は物資の提供で精一杯というところが多い。
栄養面やバリエーションを考えた食事がとれる状況をつくってあげるために、
新しい仕組みを考えなければならないと感じます。

 

(かとう)

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