福島の生産者さん巡り

投稿日:2011年10月16日 投稿者:sot

■女性農業家強し

 

今日は、震災後はじめて福島を訪れます。目的は、今年の11月に伊勢神宮で福島の生産物を奉納させていただくことになり、奉納をする生産者さんに会いに来たのです。福島は他の県の被災と大きく異なるのは、やはり放射能です。福島から県外へ避難した方も多いと聞きます。震災後は、毎日テレビで放射能の数値が流れていたそうです。

 

まずは、須賀川の阿部農縁さんに伺います。ここで農家のお昼をいただきます。お母さんがつくってくれるお昼ご飯のなんとあたたかなこと。野菜たっぷりのお汁と古代米のはいったご飯と自家製伊達巻き、そしてもってのほかという菊のおひたし、キノコの和え物、そして自家製福神漬け。お汁に青唐辛子のすりつぶしたペーストを入れてみたらというので、少し、、そしたら背骨からカッカと熱くなるではありませんか。

 

これらの作物たちが、みんな自家製であったり近所の方のものであったりします。それはとても幸せなことです。どんなに食糧難になっても生きて行けるというリスクヘッジが、農業であり、近隣ネットワークです。

 

そんな思いもあってか、農縁の寺山さんは看護士から農業へ転身されたといいます。昨日は早稲田大学でスピーチされたそうです。農業がお年寄りを元気にするというプロジェクトを立ち上げています。
確かに土いじりをしていると童心に戻った様な気になります。農業は育てる楽しみと収穫の感謝の両方があります。人間の生きる根源的目的を感じさせてくれます。福島でも農業の新しい価値観が問われ、その価値観に賛同し、認めていく流れがあるようです。そして女性農業家があらわれ、堂々と意見を言えるようになっていくようです。

 

沢山のお話をうかがい、その上、福神漬けと大葉味噌とお芋のお土産をいただき、一緒に次の農家さんをお訪ねします。

 

111016_abenoen

 

次にお訪ねしたのは、水耕栽培をされている大きな農家、ふるや農園さんです。サンチュ、カイワレ、豆苗、ミョウガなどを作られています。ここは土を使わない農業です。美しい緑の葉がビニールハウス一面に草原のように広がります。無駄のない製法に感心しきりです。

 

連なるビニールハウスの向うに放牧された豚がいます。近くに行くと豚たちが走って寄って来ます。ピンクの豚君たちが走っている様はなんと可愛らしい。犬のように人懐っこいのです。この豚たちは、ビニールハウスでつくられる豆苗の豆の部分を食べて育つかなりの健康豚なのだそうです。だから匂いもないのです。斜面に目をやるとこの農園の主人が豚に乗っているではありませんか。ああ、、良い光景だな。のんびりと秋の夕方の野原で過ごす健康な豚たち。。。

 

111016_pig

 

豚牧場から事務所まで電気自動車で行きます。加速が素晴らしく音がしません。ここは進化した農家なのです。事務所でここのお母様であるセツ子さんのお話を聞きます。いやはや、この人こそ女性農業家のリーダーです。強いリーダーシップと、幅広い知識と優れた経済感覚をお持ちの方でした。カイワレ事件の時は本当に大変だったそうです。正面から戦ったそうです。
滅多にお会いできることはないそうですが、偶然にもこの良い機会をいただきました。

 

女性農業家たち!これからの福島、東北をどうぞ進化させてください!

 

と叫びつつ、福島市内に向かい、今日の締めである川俣しゃもやさんに行くのでした。がんばれ、福島!強いぞ、福島!美味しいぞ、福島!そんな一日でした。(代表 岡部 泉)

最新情報

アーカイブ

ページトップへ