経済資源

人口動態

平成26年2月末現在、花巻市の人口は100,602人、世帯数は36,280帯である。平成9年頃から、花巻市全体の人口は全体的に減少傾向にある。(花巻市市民登録課資料より)

産業相構成、産業人口

平成22年国勢調査によると、15以上就業者の産業別構成比は、第1次産業が13.1%、第2産業が26.0%、第3次産業が58.6%となっている。最も多いのは製造業18.6%、次いで農業12.8%である。

産業ごとの特性

【農業】

北上平野には、稲作を中心に、野菜、果樹、花卉栽培が行われ、県内最大の農業地帯になっている。大迫地区ではぶどうの生産が盛んで、県内有数の生産量を誇っている。

【工業】

事業者数の4分の3が従業員数30人未満であり、中小企業が多いことが特徴的である。このため市では、新規企業・新分野への進出・研究開発をめざす企業をサポートする「花巻市起業化支援センター」を平成7年(1996)に開設し、「花巻地域における工業施策の中核施設」としての位置づけのもと、経済・生産環境に応じた支援施策を展開している。

道路、輸送

1954年の周辺5村との合併による市制施行後には、県内唯一の花巻空港が開港し(1964年)、東京、大阪、札幌と直結するようになった。現在は、札幌、名古屋、大阪、福岡と結んでいる。
1977年には東北縦貫自動車道一関-盛岡間が開通し、1985年には東北新幹線上野駅開業と同時に、全国初の地元負担による請願駅である新花巻駅が開業した。また、2002年より東北横断自動車道釜石線が一部供用を開始しており、高速交通の要地となっている。

観光

花巻は年間250万人以上の観光客が訪れる観光都市である。入込客数の4割にあたる約100万人が市内で宿泊しており、宿泊者数では盛岡市と肩を並べている。 市街地北西部の奥羽山脈の麓にある花巻温泉郷には、歴代藩主の湯治場として近世からにぎわいをみせていた台温泉、志戸平温泉、大沢温泉、鉛温泉など12の温泉がある。その他、花巻で生まれ花巻農学校で教鞭を執っていた宮沢賢治にちなんだ観光資源にも恵まれているが、近年観光客の入込数は伸び悩み傾向にある。
宮沢賢治の生家がある中心部と、温泉や観光施設が立地する郊外との連携を強めた回遊型の観光をめざし、賢治をテーマとしたまちづくり事業と中心市街地の活性化が図られている。

【観光施設など】

・花巻温泉郷(花巻温泉、台温泉、志戸平温泉、大沢温泉、鉛温泉)
・宮沢賢治記念館
・宮沢賢治イーハトーブ館
・宮沢賢治童話村・賢治の学校
・高村光太郎記念館・高村山荘
・花巻市博物館
・早池峰山岳博物館
・神楽の館
・花巻歴史民俗資料館
・南部杜氏伝承館
・成島和紙工芸館

※イーハトーブの風景地:2005年に国が文化財保護法に基づいて指定した宮沢賢治の作品の源泉となった岩手県内の自然景観に関する7か所の名勝。鞍掛山(滝沢市)、七つ森(雫石町)、狼森(雫石町)、釜淵の滝(花巻市)、イギリス海岸(花巻市)、五輪峠(花巻、遠野、奥州市)、種山ヶ原(奥州市、住田町)。

情報網

コミュニティ放送局「えふえむ花巻」、ケーブルテレビ局「花巻ケーブルテレビ」がある。

まちづくり構想

全国的に市町村合併が進む中、2006(平成18)年には周辺の石鳥谷町、東和町、大迫町を編入合併し、新花巻市が誕生した。市の将来像として、「早池峰の風薫る 安らぎと活力にみちた イーハトーブはなまき」が掲げられた。「イーハトーブ」は、宮沢賢治が想い描いていた豊かな地域社会の姿であり、新たなまちづくりの目標とされている。