現代は健康のため かつては命を繋ぐもの
岩手県は雑穀日本一です。雑穀生産が盛んになった理由に、初夏に「山背、ヤマセ」と呼ばれる太平洋から吹いてくる冷たく湿った風に覆われ、冷害に苦しむことが幾度となくありました。そこで、その冷涼な気候風土に合わせた作物として雑穀栽培を試みました。雑穀には蕎麦、豆類も入りますが、どれも東北の暮らしには欠かせないものなのです。蕎麦についても、あくまで農民が飢饉などに備えてわずかに栽培する程度の雑穀だったと考えられています。雑穀は、命をつなぐものだったのです。
今は、雑穀は白米よりも食物繊維やミネラルを含み、健康食品として見直されています。