おむすび47 金今一三先生

投稿日:2014年4月23日 投稿者:sot

47回おむすびチラシ
ソウル オブ 東北

チーム おむすび 第47回料理教室開催   2014.4.23

 

第47回のチームおむすびは、宮城県気仙沼市内の被災者が暮らす、気仙沼市総合体育館仮設住宅にそば処かも川(一関市千厩町)の金今一三(かねこんかつみ)店主と共に伺いました。

今会場は三回目の訪問。浜風が少し冷たいですが天候にはめぐまれ前回より一人多い7名の方々にお集まりいただきました。

 

 

■開催概要

 

1.開催日時 :2014年4月23日(月)11時00分~

 

2.開催場所:気仙沼総合体育館駐車場仮設住宅

 

3.メニュー:そば打ち体験「ざるそば」

 

4講師:そば処かも川 金今一三先生

 

5.主催:ソウルオブ東北

 

6.協賛:キッコーマン株式会社

 

 

 

今回の会場は、国体でも使用される総合体育館の駐車場わきの空きスペースに建てられた仮設住宅で12棟89世帯が暮らしています。料理教室の会場となった集会所は仮設住宅を建ててから、残った一番奥のスペースに後から建設されたため、中規模の仮設住宅にしては小さい集会場で、16畳一部屋にまな板を置くスペースもない小さなキッチンが付いています。収納場所もないため荷物は壁際に積んであります。広さは20人入るのがやっと。日もあたりにくい場所で一番遠い棟からは100メートル以上はなれていて、年配の方は利用しにくいようでした。

しかし、少しでも快適に料理教室を出来る様にと、皆で物資や荷物を外に出し、集会所を片付け、準備万端。いよいよ料理教室の開催です。

 

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今回は【そば打ち】です。

普段そばを打っているところを見るのはTVくらいで、生で見る機会もないので是非一度体験してみたいとリクエストいただき、開催に至りました。初心者の方でも出来るようにと、そば粉7:小麦粉3の割合で作りました。

 

最初にボウルの中でそば粉と小麦粉を混ぜ合わせ、そこに水を少しずつ加えながらこねていきます。「水を入れすぎると修正が難しいので少しずつですよ!」と先生からアドバイスをいただくも、すでに入れすぎて悪戦苦闘する人も・・・。四苦八苦しながらも会話が弾み、生地が耳たぶくらいの硬さになりました。

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その次は生地を伸していきます。生地をボール状に丸くし、テーブルの上に置き、真上から腕をまっすぐにし手のひらで潰すように押し広げていきます。ある程度まで薄くなったら、今度はのし棒を使い2~3mmの厚さになるまで伸していきます。

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伸し終えたら、生地を三つ折りにし、あて板を使いながら切っていきます。太さを一定にするのも難しく個性豊かな麺が出来上がりました。

 

次は出来上がった麺を茹で上げます。本来は流水で茹で上がった麺を洗い冷やしたいところですがキッチンが狭いため、氷水を溜めたボウルをいくつか用意し、皆で協力しながら、順番に流れ作業のように洗い冷やしました。

 

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冷やした麺をザルに盛り付け、お楽しみの試食会です。個性豊かな太さのつやつやとした愛情が感じられるとてもおいしいそばに、会話も弾みます。「そば打ちって良い運動になるね。肩こり解消に良いかもね。」「昔、子供のころそばの栽培を手伝わされた思い出があるな~。」「祖父母がそばを打っていたのを思い出した。」など、ふるさとを感じさせるエピソードも出ました。

 

その隣では「までに、までに」とそばの切り端までとり食べていた方もいらっしゃいました。「までに」とは「丁寧に」とか「大事に」という意味の方言で、そば打ちを教えてくれた先生への感謝の気持ちや皆で打ったという思い、そして食べ物への感謝の気持ちが伝わってくる言葉です。

 

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気仙沼市では、震災から3年が経った今、自立への支援へシフトしていて、炊き出しのようなイベントや見るだけのイベント、物資の提供は断っているそうです。そのため人の集まる機会が益々少なくなり、地域のコミュニティが崩れてきています。今後は今まで以上に、料理教室のような参加型イベントが必要だと、またの開催を要望され会場をあとにしました。

料理教室が終わった夜、及川会長からお電話がありました。我々が帰った後、歌のボランティアの方がいらっしゃったので残っていたそばを茹でて食べさせたそうです。その方は皆が打ったそばを、おいしいと喜んで食べてくれたとのことでした。今回のそば打ちで料理を作る楽しみ、食べてもらう嬉しさ、そして会話が弾む楽しさを改めて感じたそうです。

 

 

■東北の食を守ろう ~そば文化~

 

そばは日本各地で作られ、地名が付いたそばをよく耳にします。もちろん岩手でもそばは盛んに作られており、次から次へとそばをお椀に入れる花巻のわんこそばは特に有名です。

私たちがよく食べるのは麺になったそばですが実はたくさんの食べ方があります。代表的なものとしてそば切り、そばかっけ、そばねりがあります。

そば切りは現在食される麺状のそばのことで、御祝いのごちそうなど晴れの日に食べられてきました。そばかっけはそれより手軽なお客様へのもてなしで出され、そばを熱湯や水で練って薄くのばし、細く切らずに三角に切ったものです。にんにく味噌やの味噌たれや、くるみ味噌などにつけて食べます。そばねりはそば料理の中で最も手軽にできるもので練り上げたばかりのそばを箸でちぎってたれにひたして食べる、普段の家庭料理です。

「そば自慢はお里が知れる」と言われるように、そばは少ない肥料で栽培でき、冷涼な気候にも耐え、生育期間が短いので痩せた土地でも栽培できます。東北の人たちは採れたそばを大事に、さまざまな食べ方で食べました。食べ物を大事にする文化は今回の「までに」という方言からも分かると思います。食べ物が豊富な現代に生きる私たちですが、この食べ物を大事にする心を、言葉と一緒に将来に残していきたいと思いました。

 

 

 

 

 

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