おむすび 22+シェフツアー 3

投稿日:2012年10月3日 投稿者:sot

2a563fc522217e3721807277b3f498071ソウル オブ 東北

シェフと山・里・海、産地連携プロジェクト 3
[シェフツアー]       2012.10.3

 

この企画(シェフと山・里・海、産地連携プロジェクトー 通称 ”シェフツアー” ) は、岩手県内で東日本大震災とそれに関連する損害を受けた農畜水産業に携わる生産者を支援し、岩手の生産物を知りシェフとの交流を深めるためのプロジェクトです。

ツアーの第3回目は、東京から7名のシェフと、岩手県内からも8名の料理人や飲食店関係者が参加しました。今回は東日本大震災で被災した岩手県大船渡市を訪ねました。

岩手県大船渡市小石浜(こいしはま)の帆立・ムール貝、大船渡市漁業協同組合赤崎支所のカキの養殖を視察予定でしたが、台風の影響もあり海に出ることができない状況になってしまいました。 しかし、生産者の方から貴重なお話を聞くことができました。

またこの日は、生産者とシェフの交流会の際、地元の奥様方を対象に「チームおむすび」による料理教室も同時に開催されました。
美味しい料理を囲み、生産者とシェフの会話にも花が咲き、またひとつ岩手の地で新たな繋がりが生まれました。

 

■開催概要

 

1.開催名称   シェフと山・里・海、産地連携プロジェクト 3 + チームおむすび料理教室〈第22回〉

「海の幸たっぷりパエリア」料理教室

 

2.開催日時   2012年10月3日(水曜日)13:30〜

 

3.開催場所   小石浜公民館

 

4.主催     ソウル オブ 東北

 

5.協賛     キッコーマン株式会社、株式会社 アッシュ・セー・クレアシオン

 

6.実施内容   生産地視察、懇親会、料理教室、食事会

 

7.参加シェフ

菊地 美升:ル・ブルギニオン[東京]

高良 康之:銀座レカン[東京]

増田 稔明:ル・デッサン[東京]

中西 貞人[東京]

神戸 勝彦:MASSA[東京]

川手 寛康:フロリレージュ[東京]

清水 将[東京]

伊藤 勝康:ロレオール[岩手]

駒場 利行:ロカーレ・アーシャ[岩手]

原田 良一:レストランあさひや[岩手]

中村 昌:ヌッフデュパプ[岩手]

狩野 美紀雄:ホテルメトロポリタン盛岡[岩手]

高橋 修二[岩手]                    敬称略 順不同

 

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初めに視察に伺ったのは、「恋し浜」として知られる岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)湾に面する小石浜(こいしはま)です。

越喜来湾は黒潮と親潮が交錯する良い漁場で、ホタテやワカメ、ホヤの養殖も盛んに行われています。
東日本大震災で港は地盤沈下で80センチほど沈み、現在も満ち潮になると港が海水で溢れてしまう状態です。
津波によって、出荷を待っていた約一千万個のホタテは全滅したため、北海道から1年ものの種貝を取り寄せて養殖を再開し、今は震災前の2割程度まで回復し、ようやく今季から出荷再開のめどが立ったそうです。
震災時、船で海上にいた小石浜養殖組合ホタテ部長の佐々木淳さんは、「地震のとき、港の後ろにある山が揺れ、震動で飛散したスギ花粉の黄色い煙が港近くを覆っていた。その光景が今でも忘れられない」と、当時のことを振り返ります。それでも「ホタテはもちろん、ムール貝の養殖研究も行っています。ムール貝の養殖は難しいが、今後も研究を続けていきます」と力強く復興への歩みを進めています。
この日は残念ながら台風の影響で海が時化ており、海上からの視察は叶いませんでしたが、シェフ達からも生産者へ被害状況や回復具合、養殖に関してなど様々な質問があがりました。
シェフからは「震災により十分ではない環境の中で、生産者の皆さんが前向きに粘り強く生産物と向き合っていることをお客様にも伝えたいと思った」(川手寛康シェフ/フロリレージュ)、「震災の影響はまだ残っているが、生産者の熱い思いとこだわりを感じた」(中西貞人シェフ)という意見が出ました。

 

続いて一行はカキの養殖を行っている大船渡市漁業協同組合赤崎支所へ向かいました。
ここでは赤崎支所長の葉澤紀芳さんと牡蠣を取り扱っている山松商店の志田秀雄さんらに牡蠣のお話しを伺いました。

震災時、赤崎支所の建物は2階まで津波が押し寄せ浸水し、近くにあった資材倉庫や冷蔵庫、集荷場などの施設8棟もすべて流出、大きな被害を受けました。また、約1メートルもの地盤沈下も起きており、地面をかさ上げした今でも満ち潮になると赤崎支所の玄関近くまで海水がくる状態が続いています。
震災から1年半が経過した現在、被害の大きさから牡蠣の出荷には至っていません。
牡蠣筏には約六メートルのロープが海底に向かって伸びており、筏ひとつに約二百個の牡蠣が繋がっています。視察の時は、産卵し温湯処理されたばかりだったのでまだ身が小さく、約二〜三週間後に身が透き通るように白く大きくなり、出荷に出すころには殻いっぱいに大きくなります。広島などの牡蠣との違いは、大きな牡蠣を育てるために生産者が牡蠣同士の育成間隔を調整しているそうです。夏に養殖される岩牡蠣もようやく再開。島根県は隠岐島から学んだ岩牡蠣の人工採苗は十四年の歴史を持ちながら、津波によってすべて流されてしまいました。来年か、再来年にようやく出荷可能となりそうです。
シェフからは、「以前に赤崎の牡蠣は使ったことがあり、今後の身入りに期待している。生産者がどのような仕事をされているか、お話しを伺い勉強になった」(高良康之シェフ/銀座レカン)という感想や、「当店でも使っていたので、生産者と直接話ができて良かった。赤崎の牡蠣は味が濃い!」(神戸勝彦シェフ/MASSA)と喜びの声も聞かれました。

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ソウル オブ 東北+キッコーマン チームおむすび料理教室

海の幸たっぷりパエリア

 

 

シェフツアーが開催されたこの日は、地元の奥様方を対象に「チームおむすび」の料理教室も開催されました。まずは銀座レカンの高良シェフより、「パエリア」の作り方をご紹介。手際よく、分かりやすく作り方を伝える高良シェフに奥様方からも次々に質問が飛び出しました。

次に、ル・ブルギニオンの菊地シェフから作り方を教わりました。手際よく料理を仕上げていく菊地シェフは奥様方に「料理、上手だね」と褒められ、「あ、ありがとうございます・・・」とタジタジのご様子。これには周りのシェフも大笑いで、高良シェフの魅力と菊地シェフの笑いで会場も大いに盛り上がりました。

この日は、料理教室のほかに、参加したシェフのみなさんがキッチントラックで腕を振るい、たくさんの料理を披露しました。この日のメニューは、「ホタテ貝のポアレ赤ワインとこがしバターのソース」、「ホタテ貝のひもとキノコのマリネ」、「八幡平サーモンとヒラメのスパイラル ジャガイモとサワークリーム添え」、「ホタテ貝のひもとオリーブのトマト煮込み」、「ホタテ貝のオーブン焼きブルキニンバター風味」など多岐に渡り、チームおむすび」で講習をした海の幸たっぷりパエリアと共に、屋外にて立食パーティ形式で召し上がって頂きました。地元の方々には「こんな美味しい料理は食べたことがない」、「教えてもらったレシピが簡単だったので家でも作ってみます」、「どうしてこんなに美味しい味になるのか、とにかく最高です」と大変好評をいただきました。

 

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銀座レカンの高良シェフより、「パエリア」の作り方をご紹介していただきました。

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高良シェフや他のシェフの方々との会話も楽しいスパイスとして会場は大いに盛り上がりました。

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「余り物の魚介を何でも入れて良いですよ」と高良シェフ。参加者のみなさんも「作り方も思ったよりも簡単だし、家でもやろう!」と思っていただけたようです。

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立派な帆立は参加者のみなさんもシェフに混じって下ごしらえをしました。

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参加者のみなさんにも身近な食材が様々に調理されていき、プロの技に圧倒されました。

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参加シェフのみなさんはキッチンカーでも素晴しい料理の腕をみせてくださいました。

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「チームおむすび」で講習をした「海の幸たっぷりパエリア」と共に、たくさんの料理がテーブルに載りました。

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料理は、どれも今までに味わったことがないような美味しいもので、参加者のみなさんとシェフの方々はいっしょになってなごやかに食事会へ。

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たくさん作った料理はお土産で持って帰ることもできました。

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