山・里・海、産地連携プロジェクト5

投稿日:2013年4月12日 投稿者:sot

ソウル オブ 東北

山・里・海、産地連携プロジェクト5
[レストランオーナー視察ツアー]  2013.4.11.12開催

この企画(山・里・海、産地連携プロジェクト) は、岩手県内で東日本大震災とそれに関連する損害を受けた農畜水産業に携わる生産者を支援し、岩手の生産物を知りシェフやレストランオーナーとの交流を深めるためのプロジェクトです。今回の第1回目のレストランオーナー視察ツアーでは、東京のレストランオーナーの方々と、釜石湾漁協白浜支所のカキ、釜石東部漁協のホタテ、花巻のほろほろ鳥の生産者を訪れました。

■開催概要

 

1.開催名称   山・里・海、産地連携プロジェクト5[レストランオーナー視察ツアー]

2.開催日時   2013年4月11日〜12日

3.開催場所  釜石湾漁協白浜支所 釜石東部漁協 ロレオール ほろほろ鳥の石黒農場

4.主催     ソウル オブ 東北

5.実施内容   三陸地方産地視察 食事会

7.参加者

川添 隆太郎:有限会社春日商会

清水 謙  :株式会社WDI

宮下 大輔 :株式会社 D+N

高岡 慎一郎:株式会社人形町今半

河村 泰貴 :株式会社吉野家ホールディングス

三宅 伸幸 :株式会社ファインフードシステムズ

秋元 巳智雄:株式会社ワンダーテーブル

石倉 知忠 :株式会社 つばめ

力石 寛夫 :トーマス・アンド・チカライシ株式会社

伊藤 勝康 :ロレオール

敬称略 順不同

 

今回は東京のレストランオーナーの方々と三陸や岩手の生産者を訪れました。

 

1ヶ所目は「釜石湾漁協白浜支所」を視察しました。

釜石湾漁協で生産されるカキは、殻付一粒カキ(生食用)として主に築地方面に出荷されています。甲子川が運んでくる北上山地の山々の栄養分が流れ込み、豊かな漁場となっている釜石湾で育ったカキは尾崎カキのブランド名で築地でも高い評価を得ています。今回は、ライフジャケットを着てカキ養殖漁場まで船に乗せてもらい、カキ棚まで向かいました。三陸の水産物を育んでいる森と海が織りなす複雑な地形に皆さんも「きれいな海だねぇ」と口を揃えて、美しい海眺めていらっしゃいました。まずは養殖のほやを組合長が引き上げてくれました。垂下式ロープに海の赤いパイナップルが数珠つなぎになっています。ホヤを割って身を取り出してくれたオレンジ色の身は、とろっとのどに滑り込み、臭みや苦み、固さは無く、ほのかな甘みさえ残る三陸の海水に溶け合ったまぎれもなく「新鮮」という味でした。初夏になったら出荷されるとのことでした。次に組合長さんが引き揚げてくれたのは、昆布がびっしりとついた網は重たそうなカキです。昆布がつきすぎると中にプランクトンが入って行かず、カキも酸欠になってしまうそうです。昆布がつきすぎて沈んだブイを見つけて、昆布をまびくそうです。漁師さんに説明を伺いながら、船上視察は終わり漁協に戻ります。

漁協では、水産物の試食を兼ねて、漁師の皆さんと漁協の方々とレストランオーナーの方々との懇親会が行われました。テーブルには、ナマコ、メカブ、ホタテの卵巣と精巣が並べられていました。メカブは手切りと機械切りの2種類が並べられていて、手切りのメカブの緑色が鮮やかなでした。どれも新鮮なものばかりで、漁師さんが「やっぱ魚、貝の料理は刺身だな」と言うのも納得です。皆さんが地元釜石のお酒、浜千鳥を入れたカキの酒蒸しを運んできてくれました。自己紹介では、普段滅多にお会いすることのない職業の方に漁師さんたちは最初は緊張している様子でした。しかし浜千鳥が入ったころから、カキのアピールをどんどんしてくださいました。「ロレオール」の伊藤シェフが、カキのソテーとカキの炊き込みご飯、カキとホヤの炊き込みご飯を安倍自然農園の自然栽培農法のお米でつくってくれました。

 

 

2ヶ所目は「釜石東部漁協」を視察しました。

東部漁協では、船でのホタテの養殖場へ向かいました。三陸の豊かな海で育った岩手県産のホタテガイは、北海道や青森県産と異なり大きな貝柱が特徴です。釜石東部漁協は、岩手県有数のホタテガイの産地で、震災前の平成21年度は県内一の生産量でした。組合長さんがホタテの説明をしてくれました。ホタテの稚貝は北海道の日本海側の留萌と増毛から持ってきているそうです。死滅が少なく三陸の海と相性がよい稚貝を試行錯誤をして選んでいるとのことです。20メートルのロープにはホタテが120〜150個くらいついているそうです。ホタテの殻にはムール貝やホヤなどもくっついています。ムール貝は、天然で海の底にはとても大きくなったムール貝がいるそうです。漁協に戻り、漁師さんと組合の皆さんで試食と懇親会をしました。組合長さんにも私たちの席に入っていただきホタテの話をしていただきました。テーブルには見たことのないほど大きなムール貝、ホタテの殻焼き、メカブ、そして、「ロレオール」の伊藤シェフはホタテのソテーと鮑の丸焼きとナマコの炙り焼きを作って頂きました。ホタテには先ほど採ってきたワカメをすりつぶしたソースがかかっており、どれも穫れたてのごちそうでした。名残惜しくも帰る時間となり、一行はロレオールへと向かいました。

 

伊藤シェフのおすすめ岩手ディナーは、次のようなメニューでした。

・干し柿とチーズのアミューズ

・八幡平サーモン

・東部漁協のホタテとちぢみほうれん草のソテー

・釜石湾漁協と宮古のカキの食べ比べ

・ほろほろ鳥の砂肝、胸、もものロースト

・柳川の子羊のロースト

・岩泉の短角牛と前沢牛の食べ比べ

・カキの殻のグラタン

・デザート

 

岩手の味を満喫して皆さんにもご満足いただけた様子です。

食事をしながら東北の食の話、放射能の話、思い思いに皆さんの食に対する思いを夜遅くまで沢山聞かせていただきました。

 

二日目は花巻のほろほろ鳥の「石黒農場」を視察しまた。

石黒さんの農場は花巻温泉の奥にあり、日本でもめずらしいほろほろ鳥の農場です。ほろほろ鳥の餌は黒米、赤米、をまぜたお米です。ほろほろ鳥はアフリカが原産で、こうして日本の餌で育つので石黒さんのほろほろ鳥は日本人に合った味がします。皆さんにほろほろ鳥の成長別に分かれた鳥小屋を見て頂きました。アフリカの鳥のため、寒さに弱く、温泉がひかれた床暖房つき鳥小屋で飼育されていました。黒に白い水玉の美しい羽をもつ鳥です。とても敏感で繊細な鳥なので、震災の時は卵をうまなくなったり、壁に激突して死んでしまったりと石黒さんもご苦労されましたが、ようやく最近になって生産が順調になったそうです。石黒さんが出してくれた様々な部位のほろほろ鳥をとても気に入っていただきました。

 

 

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