シェフと山・里・海、産地連携プロジェクト7

投稿日:2013年7月24日 投稿者:sot


ソウル オブ 東北

シェフと山・里・海、産地連携プロジェクト 6
[シェフツアー]       2013.7.24

 

この企画(シェフと山・里・海、産地連携プロジェクトー 通称 ”シェフツアー” ) は、岩手県内で東日本大震災とそれに関連する損害を受けた農畜水産業に携わる生産者を支援し、岩手の生産物を知りシェフとの交流を深めるためのプロジェクトです。ツアーの第6回目は、東京から6名、岩手県内からも4名の料理人の皆さんと岩手県宮古市の「田老町漁協組合」を訪問しました。

 

■開催概要

 

1.開催名称   シェフと山・里・海、産地連携プロジェクト 6

 

2.開催日時   2013年7月24日(水曜日)

 

3.開催場所   岩手県見宮古市

 

4.主催     ソウル オブ 東北

 

5.協賛     岩手県農林水産部流通課 岩手県沿岸広域振興局水産部   同宮古水産振興センター             株式会社アッシュ・セー・クレアシオン

6.協力     田老町漁業協同組合

7.実施内容   生産地視察、懇親会、料理教室、意見交換会

 

7.参加者

 

[東京]    高良 康之:銀座レカン  増田 稔明:ル・デッサン 中西 貞人:スクレ・サレ              神戸 勝彦:MASSA  松本 浩之:FEU          渡辺雄一郎:シャトーレストラン・ジョエル・ロブション

[流通]     坂口 洋一:㈱太陽

 

 

 

[岩手]     狩野美紀雄、菊池 拓紀:メトロポリタン盛岡   駒場 利行:ロカーレ・アーシャ       中村 昌:ヌッフデュパプ       伊藤 勝康:ロレオール

 

 

敬称略 順不同

 

 

 

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シェフツアー6の今回は田老町漁協を伺いました。

小雨の降るなか、組合長の小林さん、参事の前田さん、加工所長の鳥居さん、地元の料理人さん沢山の方があたかかく出迎えてくださいました。前田さんのご案内で昆布・わかめの一時処理見学をさせていただきました。わかめの選別では女性部の方々が大量の塩蔵わかめを前にして、絡まりを解いたり、芯の部分を抜いたりと細かい工程を手作業で行っておられました。

一連の加工見学後、皆で高さほど10メートルの防潮堤に登り、小林組合長から被災状況と現状の復旧についてお話を伺いました。田老漁協の930隻あった舟は震災で50隻までに減りましたが、去年の8月には全ての漁師さんに舟を配備する事ができたそうです。また、以前は100名くらいの方が働いていらっしゃったそうですが、仮設住宅から通うのが困難な方もおり、現在は60名くらいで稼働なさっているそうです。今後できるだけ早く公設の工場を建て、地元の雇用を増やしていきたいとお話くださいました。

 

 

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料理教室は定置番屋で行われました。今回はレストランMASSAの神戸シェフに田老の海藻パスタを教えて頂きました。細切りした昆布を使用し、トマトの赤、ウニの黄色が見た目も味も素晴らしい一品でした。今回はイタリアンですが、パスタをそうめんで、チーズをチクワで、トマトをきゅうりで代用していただいても大丈夫ですとアレンジをたくさん教えていただきました。「ミキサーで海藻を細かくするパスタソースの発想に驚きました。」(宮古水産高校)「実際にシェフが目の前で作って下さったので、分かりやすい料理教室でした。」(宮古水産高校)

最後にシェフより、「料理はいっぱい失敗して、食べる人の顔を想像することが一番です」と料理上達のアドバイスを頂きました。

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引き続き皆さんとシェフで真昆布の未利用部分の試食をしていただきました。今回は予め東京のシェフに真昆布の未利用部分を使用したレシピを考えて頂き、試作品を持って来て頂きました。

スクレ・サレの中西シェフは、南フランスのカプナードソースをアレンジして「根昆布のタプナード」を提案していただきました。昆布の根をニンニク、オリーブオイル、アンチョビなどとミキサーにかけてお作りになったそうです。根昆布はごわごわしたイメージでしたが、普通の昆布と遜色なく柔らかく、使いやすかったです。と感想をいただきました。

FEUの松本シェフは根昆布をミネラルウォーターに一晩つけて清涼飲料水と混ぜ、ライムを絞った「田老の昆布水ライム風味」を作っていただきました。調理場や建設現場の方、子供達にも最適な清涼飲料水を提案していただきました。参加者の皆様も松本シェフのレシピにはとても驚いておられた様子です。

 

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他にも様々は素晴らしい技術とアイディアを沢山ご提案いただき、カウンターに並んだ試作品を皆さんにご試食いただきました。

参加された皆さんからは「試作品はバライティがあり、とても良かったです。具体的に道の駅や新幹線での販売を考えて新しい作品があり良かったと思います。」       「西洋料理から和風まであり、海藻は日本人が食べていましたが、外国の方も食べやすく普及できる気がします。無駄なく使う事は本当に良い事だとおもいました」(宮古水産高校)「昆布といえばだし汁の材料、料理の副菜と脇役のイメージでしたが、工夫次第でフレンチやイタリアンの主役にもなる事を学ばせて頂きました。」など嬉しいお言葉を沢山頂きました。(宮古水産高校/教員)

 

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最後に東京、岩手、田老のシェフと漁協の職員、女性部の方々と意見交換会を行いました。

田老漁協の畑山さんには、改めて被災状況と復興状況を説明して頂き、わかめや昆布などが主役にならない事、ネットでの販売をどうにかして行きたい事、など具体的な今後課題について教えて頂きました。

株式会社太陽(流通)の坂口さんは、「もっと自分達が扱っている素材に自信を持って頂きたい。どれもすごくパワーをのある食材ですから」と励ましの言葉を頂きました。

シャトーレストラン・ジョエル・ロブションの渡辺シェフからは「今回の試作では一瞬でインスピレーションが湧きました。食材のランクは関係無く、まずはその土地でどのように食べているか?を聞きます。なぜなら、その食べ方が現存しているという事はそれが一番良い調理法なのだとおもいます。全国の道の駅で答えがでていますね」と今回の試作を通しての感想を頂きました。

銀座レカンの高良シェフより、「加工する時間を作るための貯蔵、保管する場所が無い。そこを確保する事が先決なのではないか?置き場所が無いから、捨てなきゃ行けないのでは先に進まないのでは。」とご意見を頂きました。

それぞれ立場や視点から田老漁協の素材、水産加工や商品開発についてとても充実した意見交換会となりました。

 

 

 

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