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自然とともに綴る東北食物暦

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いわて 里山食物暦【山食物】山地酪農乳牛
 

ミルクの色は季節の草の色

牛の食べる物は安全でなければならないと山地酪農の生産者は言います。そして、牛が食べた草がミルクの色になるそうです。夏は夏の草の色、冬は冬の草の色。そう言われていただくミルクはそこはかとなく緑色です。
 
こんなにのんびりと過ごせる土地があるのかと思われますが、国土の七割を占める山林。ところが輸入木材の台頭により、荒れ果てた放置林が増加しました。こうした里山や山林を酪農の場として活用するのが 「山地酪農」 なのです。
雪の急斜面でも牛は強く暮らす事が出来ます。運動し自生する草を食べるという自然のメカニズムが牛の乳をおいしくするのです。山の保全にも役立つ一挙両得な酪農なのです
 
山地酪農乳牛
 
■主な産地/北上山地山麓
 
■生態と特徴
岩手県の6割を占めるといわれる北上山地。その麓に広がる「本州で一番広い町」岩泉町の周辺では古くから、山地放牧が行われてきました。冬の間、人里で過した牛達は出産を終え、春から秋にかけては山間地の真シバや下草を食みながら、北上の自然の中で健やかに育ちます。山野を踏みしめ、下草をエサにすることから、山中には太陽の日差しが地面まで届きやすくなり、森林も荒れることなく、美しく安全な里山の維持にも大きく寄与しているといわれています。また、牛の排泄物は山間地の土壌を豊かにもし、エサとなる真シバや雑草の生育を助ける、好循環も生み出しています。
近年は肉用牛の育成に止まらす、酪農においてもこの手法が取り入れられ、大きな平地と多量の飼料を必要とする日本の酪農業のあり方に一石を投じています。北国ならではの乳牛の育成に適した気候。
北東北ならではの自然の恵みを大切にして生きる風土。この2つの融合が育んだ自然放牧によって育った乳牛から搾ったミルクは、濃厚にして風味豊か。牛乳としてはもちろん、ヨーグルトやバター、アイスクリームなどに加工され、安心でかつ安全な食べ物を求める多くの人々から支持されています。
東北の里山と森を守り、日本の食の安全にも貢献する“山地酪農”は理想的な循環型畜産として、今再び注目を集めているのです。
■食べ方
濃厚でコクのある味わいの山地酪農乳牛から搾ったミルクは、そのまま飲んでも美味ですが、温めるとさらに風味と甘みが増すといわれています。
シチューやスープにして食すのにも最適です。

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