風土の会 ”豆”
投稿日:2016年3月31日 投稿者:sot
水沢江刺で行われる「風土の会」に出席しました。この「風土の会」というのは年に数回この奥州市で行われる、地元の食物をつかった伝統料理を皆でつくり食べる研究会です。とても意義のある会であります。
今回のテーマは「まめ」。「まめ」は岩手の県北が主な産地です。ここ奥州市は「もち」の文化圏です。県北では米は貴重な食べ物で、ほとんど食べることはできず、雑穀や豆が主食でした。白飯は特別な日のハレの食であったようです。しかし、今は雑穀は栄養価の高い健康食で世界中で注目されています。
今日は、80歳の食の匠の渡辺貞子さんの呉汁と県北の安藤直美さんの「ヘッチョコ団子汁」に始まり、まめづくしの心身ともに健康になれそうなお料理をみんなでつくります。
今日の参加者は4世代に渡り80名ほど。山形大学の男の子たちや一ノ関高校の調理部の子たちなど若い子たちが、人生の先輩に伝統食を習います。
糠竃で炊いたご飯も、亀の尾、ささしぐれ、ささにしきとお米も三代。つまり亀の尾はささにしきのおじいさんにあたる米なのです。自然栽培で作られた阿部さんのお米を食べ比べできる良い機会でした。いやはやどれも美味しくては見事な食味でした。
こんな食事が毎日だったらと思うのですが、手間をかける豊かな気持ちがないとなかなかできません。
渡辺さんはすでに80歳を超えているというのに、老眼でもなくシャキッとしていらっしゃいます。これぞ手間を惜しまない暮らしの証です。渡辺さんにはご自身が書かれた「つたえたいおふくろの味」という本を頂きました。体にいいお料理ばかりです。良く読んで見習うことにしましょう。
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- 投稿日:2016年3月31日
【レポート】働きやすい水産加工場づくりセミナー
投稿日:2016年3月25日 投稿者:sot
3月18日、釜石市の水産技術センターにて「働きやすい加工場づくりセミナー」が行われました。
東北の沿岸部は、もとからの過疎化に加えて震災により、人口流出が止まらず、水産加工場で働く人は減っていく一方です。
釜石市の飲食店は時給1000円で募集をかけても人が集まらないほどで、業種関係なく人手不足が深刻になっています。
水産加工場では、事業は立ち直ったのに、商品が生産できないというジレンマを抱えています。
そこで、トヨタ式改善方法(機械と人が効率よく働く方法)、コミュニケーションを改善の二本立てで、経営者を対象にセミナーが行われました。
ソウルオブ東北が提案したのは「コミュニケーションの改善」です。
コミュニケーション改善は、人手を増やすというよりも、今働いている人を辞めさせない環境を作ることを目的とします。
今働き手が求めているのが良好なコミュニケーションだというデータも出ています。
経営者のホンネ、従業員のホンネにスポットを当てながら改善例を具体的に提案しました。
「コミュニケーション」というわかりやすいテーマだったので、質疑応答ではそれぞれ意見を言っていただきました。コミュニケーションに正解はありませんが、コミュニケーションが取れていたほうが、従業員もやる気が上がります。
こちらからはありがとうカード、お茶っこ会、アドバイザー制度を提案しました。
第二部ではトヨタ式改善について菅原氏から講演がありました。
こちらは、商品の注文から納品までの流れで、無駄を省いていくことで効率を上げる方法です。最近は岩手県内の水産加工場で導入されるようになってきました。
問題はそれぞれの会社で違うところがありますが、今回の講演でヒントが見つかれば幸いです。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
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女性にやさしい加工所プロジェクト
- 投稿日:2016年3月25日
2011年3月11日の震災から5年 これから私たちはどうすればよいのか
投稿日:2016年3月11日 投稿者:sot
今日で東日本大震災から5年目になります。
亡くなったたくさんの命に心からご冥福をお祈りいたします。
今週一週間ソウルオブ東北は東京J-WAVEにラジオに出演し、「東北の食」について毎回一つのテーマのもとお話しさせていただきました。
そこでソウルオブ東北は以下のようなメッセージを送りました。
紹介いたします。
3月7日【ソウルオブ東北とはどんな団体なのか】
ソウルオブ東北は東日本大震災後に東北の食を守ろうというスローガンを掲げて活動をスタートしました。震災直後の避難所での炊き出しからはじまり、今は、岩手県と宮城県の気仙沼地域が活動地域です。活動は3つに分かれていて、1つは炊き出しの流れから始まったチームおむすびといって、今は、仮設住宅や復興住宅などで料理教室を行っています。あとは、岩手県内の小中学校で食育教室も行なっていて、地元の食材を使って地元の料理人の方に来て頂いて活動しています。
2つ目が津波の被害が大きかった水産加工場について商品開発、ブランディング、水産加工場で働く方々の労働環境の改善を行なっています。従業員の方からヒアリングをしたり、どうしたら従業員が働きやすいかと経営者の考え方を変えたりするようなセミナーを行う予定です。
3つ目は、東北の食物暦といって東北の水産物、農産物、畜産物を調査して広める活動を行なっています。
3月8日【震災直後、どんな食の支援が現地で喜ばれたのか」
すごく寒い時で、雪も降ったりして、食事がのどに通らないという状況もあったので、ご年配の方にも召し上がってもらえるもの、スープなど食べやすくて栄養価の高い、どんな方でも召し上がってもらえるものをと考えて作ってきました。もちろん、ハンバーグを作ったり、フレンチの方も多かったのでそういうものなど、レストラン的な炊き出しになっていたと思います。
みなさんにも喜んで頂いたんですけど、本当に私はあの時のことを思い出すと行く自分の方がみなさんに受け入れてもらえるのかなという不安があって、行くのが怖いというか、みなさんにどう接して差し上げたほうがいいのかなっていうのがあって、でも行くとみなさんが「よく来てくれました」「ありがとう」って。こちらが救われたというか、東北の人たちの優しさを感じたような、そんな時だったと思います。もともと私の本業も食に関する仕事で、一番私が参加できるものが食でした。東北の食材はこれまでも取材してきましたが、いいものが多かったしお米も魚も東北の食を生かしたいと思っていました。
当時は、食が人を元気にすると思い活動していました。食べると「おいしいね」と笑顔になります。一瞬でも笑顔になれることって食の力は大きいのかなっておもいました。
今も食に通じてのコミュニティを作っていますが、みんなで作ったり食べていると話が弾む。そういう食の力を、こういう震災の時に、その時はそこまで考えてなかったですが、今思えば食が人と人とつなげることができたかなと思います。
3月9日【東北の水産加工業者の今の状況について】
東北のもともとの流通がB to Bというか商社を通してということが多かったと思います。直販ということがなかなか少なくて、小さい生産者がWebを作ってというのはありますが、たいがいよく言われているのは水産加工業でいいますと現料供給といういい方をするんですが、サンマがとれてサンマを加工するところに販売したり、市場に行ったりと、現状供給で成立しているところが多いんです。現料供給と言われても放射能汚染とかいろんなことがあったので、現料供給に頼らない水産加工場はなんぞやと。
今は政府の六次産業推進もありますし、今、自分たちも挑戦して行こうと考えられたのが2012年以降。2013年、ほとんどの水産場が壊滅したので、復旧が終えるのが2012年の終わり。そこから自分たちでの商品開発、加工品を作る方向に進んでいったと思います。その時のお手伝いもさせて頂いたんですが、じゃあ販売先はどこかというと、これまでも経験がないことなので、私たちが販売のお手伝いをしながらやってきました。
3月10日【なかなか現地に出向けない僕たちが東北の食に対してどんなことができるのか】
私が本当にお願いしたいのは、東北に関心を持って頂きたいということです。
関心を持つって大事です。東北、岩手ってどんな食品があって、海では何がとれているんだろうって。宮城から岩手にかけては世界三大漁場の1つなので、そこにたくさんの魚が集まっているんです。そんなことも関心を持って頂いたりしていただきたいというのが1つあります。
そのために東北食物暦というのを作っています。それは私たちのHPでも載せています。それを見ると、心が温かくなるようなみなさんの思いがつまった酪農だったり、漁業も東京ではあまり食べられない珍しい水産物もあったり、それに関心を持って頂きたいと思います。それで分かったら、みなさん直接買って頂きたいなと。みなさん営業がなかなか上手じゃない方が多いので、直接生産者と触れ合って頂くとより東北の良さが分かると思っています。
私は東北に通っていくなか、きちんと人の手の入った里山、里海という話をもっともっと日本の問題として取り上げてほしいと思うようになりました。自然に逆らわずに食物を作っているというのが岩手にもまだまだ残っています。丁寧で優しい食というのが岩手・東北の印象です。
3月11日
放送が終わり次第アップさせていただきます。
ソウルオブ東北はこれからも東北のため、活動を続けていきます!
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- 投稿日:2016年3月11日