おむすび43 齊藤貢先生

投稿日:2014年1月29日 投稿者:sot

 

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ソウル オブ 東北

チーム おむすび 第43回料理教室開催   2014.1.29

第43回のチームおむすびは、岩手県一関市千厩町の旧千厩中学校跡地仮設住宅集会所に、

岩手県一関市 和食処どっとの斉藤貢先生とともに伺いました。

 

■開催概要

 

1.開催日時:1月29日(水)11:00~14:00

 

2.開催場所:旧千厩中学校跡地仮設住宅 集会所

 

3.メニュー:伝統料理かほ団子のお汁

三陸産牡蠣の炊き込みごはん

 

4.講師:和食処どっと 齊藤貢 先生

 

5.主催:ソウルオブ東北

 

6.協賛:キッコーマン株式会社

 

今回訪問した千厩仮設住宅は、もともと気仙沼で暮らしていた方の住居。

年配の方が多く、お友達を誘って参加者が次々と会場にいらして和やかな雰囲気に包まれて、

料理教室はスタートしました。

まだまだ厳しい寒さが続くこの季節。旬の食材を使った「三陸産かきの炊き込みごはん」、

体が温まる郷土料理「かほ団子のお汁」を25名の参加者の皆さんと一緒につくりました。

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三陸は牡蠣の栄養源であるプランクトンがいっぱい!

 

三陸は世界三大漁場といわれ、親潮と黒潮の交差点で、牡蠣の栄養源であるプランクトンが多く生息。

三陸沿岸部では、まだ地域差はあるようですがようやく牡蠣の出荷も始まり徐々に軌道に乗りつつあり

ます。

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震災前よりも明るく、輝かしい未来を創造していくためにも、三陸のまだ見ぬ魅力をお届けしていきたい

ものです。

 

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しあわせをもたらす郷土料理「かほ団子」

 

東北に今も根強く残る餅文化。

その一つとして今回つくる『かほ団子』は、地元で子どものころから親しんだ、ごく身近なお料理です。

説はいろいろありますが、弘法大使がこの地方を訪れた際に、一夜の宿を求めた家が貧しいところで、

家主の精一杯のもてなしがお団子だったそうです。偶然わらが混入してしまったそのお団子を見て

大師様は「果報だめでたい!」を言ったことから、縁起が良いお団子として今でもその文化が残ってい

ます。

 

お団子の中には萩の木片を入れてものをいくつか用意し、萩の木片が当たったら幸せが訪れるといわ

れ、お財布に入れるとお金が貯まる、家族の無病息災、また一年元気に過ごせるというありがたい郷土

料理です。

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お吸い物の他にも、小豆と煮てお汁粉感覚で食べたり家庭の数だけ楽しみ方もさまざま。

かほ団子汁を頂くときには、大人も子供もお団子を一粒ずつ口に入れ、わくわくしなが

ら、噛んでカチッと当たるものが入っていますようにと願いながらいただきます。

学校給食にかほ団子が出る日があるようで、「当たりは誰だろ」とその日の給食は一段と

盛り上がり、当たりが出た子は消しゴムや鉛筆など、ちょっとしたプレゼントがもらえる

ようです。

 

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千厩の会場でも、次々に「当たった!」との声に、自然と拍手がわき、笑顔が溢れる楽しい会となりまし

た。参加された方は「かほ団子」にまつわる思い出話に花が咲き、それを聞いている私どもはまたひと

つ岩手の食文化を学ぶ良い機会となりました。古くからある風習の中で、子どもたちに残したいお料理

であり、伝統行事である『かほ団子』。郷土料理も時々いただきながら、元気で過ごしたいものですね。

 

 

 

■東北の食を守ろう! 「人が集えば餅振舞い」 餅料理の数なんと300種以上

 

岩手県の餅文化について少しご紹介します。

 

岩手県南部に位置する一ノ関や平泉あたりは土地が肥え北上川の中流域で豊かな水田地帯。

お正月に限らず、節句、神々の年越し、冠婚葬祭などの年中行事や祝い事の席、田植えが終わった頃

や収穫の後などにも区切りとして餅を食べる習慣があります。

この餅文化は、江戸時代に武家から商家、そして農家へと伝わり、農家において豊作と家内安全を

祈る年中行事となったとか。その後、農家の生活に根ざしながら現在に至るまで伝承されてきました。

餅を食べる日を示した「餅暦」があるというのも、農家の暮らしと季節との関わりの深さを教えてくれるか

のようです。

 

さて、気になるメニューのごく一部を紹介しましょう。まず多くの人が知っていそうなところでは、あんこ、

ごま、くるみ、ずんだ。ずんだは、ゆでた枝豆を使う食べ方で、同じ伊達藩だった宮城県仙台市あたりで

も名物になっています。あっさりした味の生姜餅。あとを引くから仏事では出さないと言われる納豆餅。

小さな沼えびを使った、えび餅。このあたりから、少し珍しくなってきますね。じゅうね(えごま)を使った

じゅうね餅は、ごまよりも香りが高く、餅料理の中でも別格の味。そして、ふすべ餅は、ごぼうと鷹の爪

を使ったピリ辛の味わいです。

他にも、客人にもてなす餅の本膳料理は、あんこ餅、雑煮、くるみ、なます(大根おろし)、漬物などが

漆塗りの高膳に乗って出てきます。

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さらに、結婚式の朝には隣近所へも朝餅と称してあんこ餅を重箱に入れて配る習わしもあるなど、

この地域では餅が生活のあらゆる場面に登場してくるのです。

 

豊かな自然の恵みと、先人たちの知恵によって生み出された岩手の郷土料理。

食文化というのは本来そういうものですよね。

気候風土と生活文化が混じり合ってできる。

今はそれが薄れているけど、地方へ行くとまだ根付いているものがある。

地方へ行くとそんな楽しみがある。

一ノ関地方では、道の駅やレストラン餅料理を提供しています。訪れた際にはぜひご賞味あれ。

 

 

 

 

おむすび41 原田良一シェフ

投稿日:2014年1月18日 投稿者:sot

 

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ソウル オブ 東北

チーム おむすび 第41回料理教室開催    2014.01.18

第41回のチームおむすび料理教室は、岩手県一関市室根町の旧折壁小学校跡地仮設住宅集会所に、「レストランあさひや(同市千厩町)」の原田良一オーナーシェフと同店三代目の原田良太さん、従業員の菅原拓也さんと共に伺いました。当日は一面雪に覆われるも、太陽の日差しが眩しい天候の中での開催となりました。

 

■開催概要

 

1.開催名称   チームおむすび料理教室〈第41回〉

 

2.開催日時   2014年01月18日(土曜日)10時30分〜

 

3.開催場所   岩手県一関市室根 旧折壁小学校跡地仮設住宅集会所

 

4.主催     ソウル オブ 東北

 

5.協賛     キッコーマン株式会社

 

6.実施内容   料理教室、食事会

 

7.参加シェフ  岩手 レストランあさひや原田シェフ

 

 

原田シェフが折壁仮設住宅に訪問するのは2011年12月以来、2回目。折壁仮設には宮城県気仙沼市の方々が現在85世帯生活しており、今回は9名の女性に参加していただきました。

材料として使われる、幻の野菜『矢越カブ』とは、今回の開催地である室根町矢越地区で生産されている、オレンジ色が特徴的なカブです。何年も前に生産しなくなったカブでしたが、生産者の小野寺さんが復活させ、現在は小野寺さん含む2名しか生産していません。生産量も少ないことから幻と言われているそうです。参加者からは「何年ぶりだろう!子供のころ、おふかしに入っているのを食べた記憶があるなぁ。ほんと懐かしい」という声もありました。

『いわい鶏』は室根町を中心に生産されている地鶏です。仮設住宅の近くに工場があり、「みなさんに食べていただいて少しでもお役に立てれれば」と社長さんからお肉をご提供頂きました。社長さんからのエールに皆さん感激していました。

 

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まずは【りんごのパンプディング】を作ります。りんごの皮をむき、芯を取り除いて8等分のくし型に切ってから、いちょう切りにします。切り出したりんごと水を鍋に入れ、強火にかけます。沸騰したら中火にしてアクを取り、水気がなくなるまで煮れば、りんご煮の出来上がりです。次は、ボウルに卵ときび砂糖を入れ、泡立て器で砂糖が溶けるまで混ぜてから、牛乳とラム酒を加えます。食パンは耳を切り落として1枚を4等分に切り、先ほど作った液体に30分以上漬け込みます。グラタン皿などの耐熱容器に、漬け込んだパンとりんご煮の半分を交互に敷き詰めたら、残りのりんご煮とレーズンを全体にちらし、きび砂糖をふります。オーブン天板の上にお湯をはり、その中に先ほどの耐熱容器を置き、170度でこんがり色づくまで焼きます。

 

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焼きあがる間に【幻の野菜『矢越カブ』と『いわい鶏』のクリームシチュー】にとりかかります。矢越カブ、玉ねぎ、人参、いわい鶏をすべてひと口大の大きさに切り、各々下ゆでします。鍋に牛乳とブイヨンを入れ中火で温め、泡立て器を使いながらブルーマニエを加え、よくかき混ぜます。ひと口大に切ったカブ、玉ねぎ、人参、いわい鶏を鍋に入れ煮込みます。塩、コショウ、ナツメグ、生クリーム、バターで味を調え、ブロッコリーを加え完成です。

 

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パンプディングも焼きあがったところで、参加者の方々にシェフ、スタッフの分まで取り分けて頂き、皆で食事です。前回の開催が2年前ということもあり、始まる前は皆さん緊張気味でしたが、食事の時にはもう打ち解けてお話も弾みました。原田シェフからは食材や地域の話、食材を提供してくださった地元企業について伺いながら、とても心温まる料理教室になりました。ぜひ次回も!と約束をし、名残惜しくも会場をあとにしました。

 

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